ヒップの老化
50歳を越え、体の変化を意識することが増えてきました。
体からのネガティブなサインも多々あるけれど、そこに耳を澄ますようになってから、女性のボディメイクに対する気づきが得られるようにもなったのも事実。
とは言え、ネガティブな変化が目に見える形になると、心が沈んでしまうので、攻めのワークアウトで、アグレッシブに自分の体と対話することもやっぱり必要。ワークアウトのあるライフスタイルを楽しんでいます。
とくにヒップのたるみ防止には並々ならぬ努力を怠りません。
ヒップは体のアウトラインを左右します。どんなにウエストラインがシェイプされていても、ヒップが下垂していては、体のメリハリが作れません。
また、いつまでもアグレッシブに「動ける体」でいるためにも、ヒップの筋肉を鍛えておくことはとても大切。
ヒップが老化するスピードは、生活習慣・運動習慣が影響するので、努力しだいでは老化を先伸ばしできるはず。
いつまで先延ばしできるかまさに人体実験中の私です。
「80歳で20歳のように丸いヒップのおばあちゃん」というのは現実的には無理としても、「50歳では50歳で実現できる最上級を、60歳は60歳の上級を・・・そして80歳でも」という具合に、その年齢においてオプティマルな美を手にしたい!
ということで、ヒップの老化はなぜ起きるのか、しっかり理解したうえで、体の変化と上手に向き合っていきたいと思います。
ヒップの変化
ワコール人間科学研究所が、同じ女性を30年以上にわたって計測し続けたデータは、女性の発育・成熟・老化のリアルをよく教えてくれます。
その計測結果によると、ヒップの形状変化は、全ての人がみな同じプロセスを経るというのです。
ワコールのデータを参考に、ヒップの経年変化を4つのステージにまとめてみます。
老化ステージ0
- 垂れていない。横から見るとお椀をかぶせたような綺麗な半円形。
- ヒップの下部にシワひとつない状態です。
確かに、子供のヒップにシワはないですね。ボリュームはないけれど、お椀のような綺麗で可愛い丸です。
老化ステージ1
- ヒップを横から見ると半円形を保っているものの、ヒップ下部がたわみが出現。丸さはキープしていても、ヒップ下部に気になるシワが。
下垂が目立たないから、自分のヒップをまじまじとチェックすることがなかった20代の前半頃。もしかすると、ヒップ下部のシワがすでにあったのかもしれません。どんなに若くても、日常の運動量が少なく、座りっぱなしのライフスタイルの方は注意が必要ですね。
老化ステージ2
- ヒップの頂点が下がりつぶれた形に。もう綺麗な半円形ではない状態。このころ同時にウエスト周辺のメリハリがなくなるために、四角い印象のヒップに。
ヒップの山が低くなり、ヒップ下部のたわみも増えると、丸いというよりは長細い感じのヒップに。
また、女性らしいヒップの丸みは、ウエストの細さと落差があることで強調されます。
ですが、オトナ世代は、女性ホルモンの変化も手伝って、ウエスト周りがもたつきがちに。そうすると、ヒップの丸みが相殺されてしまい、いわゆる「ボンキュッ」としたメリハリが薄まってしまいます。
老化ステージ3
- ヒップの丸みが消え、内側に肉が流れ込んだような状態になるとともに、ヒップ下部がたわんだ状態に。自然に年齢を重ねた高齢の女性のヒップは、こんな感じです。
一般的に80歳にもなれば、20歳の時の半分程度まで筋肉量が減ると言われています。ヒップも然り。筋肉量が大幅に減少すると、丸みなくしぼみ、ヒップ下部の皮膚がたわんでしまいます。
こうしたヒップの形状変化は、誰でも同じように迎えるのですが、ステップ0に近い40代女性もいれば、30代になるかならないかですでにステップ2にさしかかってしまう人も。
変化のスピードには大きな個人差があるのも事実です。
問題はなぜ垂れるのか、なぜ個人差があるか、ということです。
ヒップが垂れる理由
まず忘れてはならないことは、ヒップの丸みは筋肉と脂肪で作られているということ。
筋肉の土台がしっかりしているから、そこに程よい脂肪がのることで女性らしいヒップが演出できます。
そのため、運動不足による筋肉の衰えは絶対に避けなければいけません。
また、ヒップの筋肉は運動機能に大きく関わります。
ヒップ全体を覆う大殿筋は、脚を後ろや横に動かすために働きます。
お尻の横側にある中臀筋は、脚を横に上げたり、股関節を支えます。
中殿筋は、骨盤と大腿骨を固定する重要な筋肉で、歩行の時、股関節を固定し、骨盤が下がらないように働きます。
こうしたヒップの筋肉が衰えると、股関節が充分に機能しなくなるため、足が上手く上がりにくくなり、つまずきやすくなるなどの問題が生じます。
丸くて素敵なヒップラインのためだけでなく、「動ける体」のためにもとても大切な筋肉なのです。
筋細胞外脂肪にも注意
「EMCL」(筋細胞外脂肪)の存在も無視できません。
「EMCL」(筋細胞外脂肪)とは、とても簡単に言えば、お肉の「さし」のようなもの。筋肉の組織と組織の隙間に脂肪が入り込んだ状態のことです。
いわゆる「たるみ」の原因一つはこの筋細胞外脂肪(EMCL)だと考えられています。
「EMCL」(筋細胞外脂肪)は、本来筋肉になるはずの「筋衛星細胞」が「脂肪に変異」したものなので、いわゆる体脂肪のように、食べ過ぎ・脂肪の過剰摂取が原因で増えるのではありません。運動不足とタンパク質の摂取不足から生じます。
特別な運動習慣がないままに年齢を重ねると、筋肉量は自然に減っていきます。筋肉量が減ることに加えて、EMCLによるたるみが促進されれば、ハリのない緩んだヒップはすぐそこに。
丸いヒップを作って長持ちさせたいなら、いますぐにアクションを起こしましょう!